名古屋白龍 住環境を守る会
高層新築マンション建設反対運動 カルティア瑞穂ヶ丘・イワクラ ゴールデン ホーム・日本建設・瑞穂マンション反対

名古屋市立大学名誉教授
山田 明 レポート

「郡道」沿いに高層マンション

2017年8月8日

 作家・司馬遼太郎の紀行シリーズに「街道をゆく」がある。「街道」ではなく、「郡道」 をゆく、として昨年 3 月 18 日にレポートを書いた。そこでも紹介した昭和区役所まち づくり推進室のサイトには、郡道とは「昭和区の西部を南北に縦断し、南端は東海道の 呼続(南区)、北端は飯田街道の古井坂(千種区)に通じている道。完成は明治 42 年(1909)、 大正 12 年(1923)の『愛知郡誌』によれば当時郡内に 49 本の郡道が通っていたが、 この道だけが今でも地域の人々から『郡道』と呼ばれている」としている。

 瑞穂区白竜町・下坂町の郡道沿い、 写真上左の交差点右側に 15 建て高層 マンションの建設が始まった。写真右 の上にすこしだけ見える白い建物が、 「すずらん幼児園」だ。ここは林京香 さんの妹・ちーちゃんが通ったところ だ。幼児園や住宅の前に、地上 15 階 建てマンションが聳えることになる。 完成した高層マンションを想像した だけで、日照・通風など心配になる。

 工事現場近くでは、建設反対の幟や 横断幕が多く見られる。マンション北側にあたる家などには、 購入者に対する「警告」も掲げられていた。一方で、地下鉄 「名城線」にマンションの「案内」広告が出ていた。

 このマンションは前から気になっていた。売主は名古屋に 本社があるイワクラゴールデンホーム、施工は日本建設名古 屋支店である。売主のサイトから。「静穏の丘。洗練の景。静穏な空気に抱かれ た瑞穂区の丘。その丘陵に、美しき時を刻む全 70 邸の『カルティア瑞穂が丘』。 界隈に広がるのは、明治時代から幹線道路を中心に発展してきた歴史ある住宅 地。この地の豊かな環境と共鳴し合うように、安息の中に、心を解放する上質 な住まいを目指しました。」「穏やかな街並を望む、住宅地の隆丘。計画地は、 南に視界が開けたロケーション。ゆるやかな南雛壇のため、日当たりも良く快 適に暮らせます。」ここは歴史ある郡道沿いの閑静な住宅地。こんな下町の住環 境のところに、15 階もの高層マンションが周囲を見降ろすように建設されるこ とが問題なのだ。マンションは日当たりも良く快適かもしれないが、周辺住民 はたまったものではない。今秋販売開始予定というが、売主が一貫して住民と の話し合いを拒んできたという。マンション建設のゆくえに注目していきたい。