名古屋白龍 住環境を守る会
高層新築マンション建設反対運動 カルティア瑞穂ヶ丘・イワクラ ゴールデン ホーム・日本建設・瑞穂マンション反対

名古屋市立大学名誉教授
山田 明 レポート

名古屋白龍「ホームページ」

2017年9月30日

写真は「名古屋白龍住環境を守る会」ホームページの表紙。活動記録や白龍の街並みなどが、ビジュアルにまとめられている。

最近、私のレポート(コラム) 欄が設けられた。名古屋市瑞穂区の閑静な住宅地に、15 階建て高層マンションが地元住民を無視して建設されつつある。その前後から「とある事情」もあり、レポートを書き続けてきた。「自己紹介にかえて」を寄稿したので掲載しておきたい。

自己紹介にかえて 〜時間軸と地域軸から〜

 このたび「名古屋白龍 住環境を守る会」のホームページが立ち上ったことを喜んでいます。「かわら版」とともに、「白龍」の活動が地元の皆さんや全国に発信されることを願っています。

ホームページのコラム欄に、私のレポートを掲載していただくことになり、最初に自己紹介しておきます。掲載の写真は、2014年2月22日に名古屋市立大学で行われた私の「最終講義」です。郡道をまっすぐ北に行くと、私が教えた「滝子キャンパス」があります。郡道をさらに進むと吹上、千種区の古井の坂に出ます。郡道については関心があり、よく歩きました。

 昔から,まち歩きが好きです。写真は名駅・那古野の桂芳院の「愚痴聞き地蔵」さんです。まち歩きの途中で見つけました。名駅にいくと、お地蔵さんの前で日ごろの愚痴を聞いてもらいます。

 名古屋市立大学を退職して3年余り。退職してから、縁あって下坂町の鍼灸院に通うようになりました。滝子キャンパスから郡道を歩いて鍼灸院に向かったとき、大きな更地があり、何ができるのだろうかと思っていました。今から1年半ほど前です。それが15階建てマンションの現場になろうとは。時間軸と地域軸(空間軸)から振り返ってみます。


 地域やまちづくりを考えるとき、時間軸と地域軸という角度が役に立ちます。15階建てマンション問題に揺れる、この地域についても、二つの軸から資料を探してレポートを書いてきました。まずは時間軸から。

 『瑞穂区誌』のなかで、奈良時代の「条理制」(現代の土地区画整理事業)が説明してあり、地図に柳ケ坪や田光ケ池(田光池)が出てきます。明治10年代の「地積図」では、津賀田神社近くまで伸びる、今より大きな田光池がはっきり見えます。大正4年版の古地図、昭和10年「穂波学区附近地図」には、郡道がまっすぐ伸び、その横に田光池が広がっています。その後、ブラザーが事業を拡大するなかで、その社宅が郡道沿いに建てられます。その跡地に地元住民無視の15階建てマンション計画が、突如として発表されます。

 時間軸に沿って、地域軸も変化していきます。明治の時代になり、郡道が南北に伸び、バスも走るようになります。名鉄や市電も走り、堀田駅周辺は賑わい、東西にも商店街がいくつも。ため池として活躍した田光池が埋め立てられ、閑静な住宅地が広がっていきます。

 イワクラゴールデンホームのサイトには、こんな案内が。「静穏の丘。洗練の景。静穏な空気に抱かれた瑞穂区の丘。‥‥ 計画地は、南に視界が開けたロケーション。ゆるやかな南雛壇のため、日当たりも良く快適に暮らせます」

 この案内を見て、本当に腹が立った。日照や風害、騒音などで苦しめられる住民の皆さんを馬鹿にしています。ここまでイワクラが書くのなら、15階建てマンションが環境にどう影響するか、いま住んでいる人たちの声に耳を傾け、じっくり話し合うのが筋です。

 現場近くの鍼灸院に通いながら、時間軸と地域軸を手がかりに、マンション建設現場を眺め、多くのレポートを書いてきましたので、それを紹介しながら、最近の動きなども書いていきたいと思います。