名古屋白龍 住環境を守る会
高層新築マンション建設反対運動 カルティア瑞穂ヶ丘・イワクラ ゴールデン ホーム・日本建設・瑞穂マンション反対

名古屋市立大学名誉教授
山田 明 レポート

10・20 名古屋白龍「講演会」

2017年10月22日

「これでいいのか? 名古屋白龍のマンション紛争 元国立市長 上原公子さんに学ぶ」と題した講演会が10 月20 日(金)夜、ウィルあいちで開かれた。名古屋市瑞穂区白龍の住民をはじめ、天候不順のなか60 人余りが詰めかけた。
 まず主催団体「名古屋白龍・住環境を守る会」代表の奥田恭正さんが「白龍の不当逮捕と共謀罪さきがけ」を報告。奥田さんは昨年今ごろマンション建設現場で逮捕され、長期にわたり拘留。1年前の21日に保釈されたことを、感慨深く振り返った。住民無視のイワクラゴールデンホーム高層マンション建設にいたる経過、何もやっていないのに「暴行罪」容疑で逮捕・拘留されるまでを写真と映像により語る。「被害者」の現場監督が事件当日夜、酒を飲んで「代行運転」を頼んだ事実も。
 裁判を傍聴してレポートにも書いたが、どう考えても奥田さんは無実だ。次回11 月21 日の公判では「画像鑑定人の尋問」、そして12 月21 日公判で「論告・弁論・結審」となることを期待したい。奥田さん不当逮捕は、共謀罪さきがけ事件として、全国的に注目され、この日も民放スタッフが取材に来ていた。
 ついで元国立市長上原公子さんが「市民がつくる街 国立と景観裁判:市民自治の闘い」と題して講演した。まず、国立の歴史を振り返り、戦前の大学通りの緑地帯への桜植樹、戦後まもなく日本で初めての市民発「文教地区」指定などを語る。景観問題で直接請求運動をしたメンバーを中心にして、「市民自治の復権」をめざし市長選に取り組む。1999 年に東京初の女性市長、上原市政が誕生する。直後に明和マンション問題が勃発して、景観運動が全市的に展開され、日本中の話題にもなる。2000 年から4 つの裁判、2009 年からは「上原求償裁判」が始まる。この間の経過は複雑であり、自分なりに整理してから、景観裁判などを紹介していきたい。
 上原さんの講演のあと時間も迫っていたが、私から質問させてもらった。上原さんが白龍の現地を歩き、住民の声などを聞かれて、どのように感じられたか。
 上原さんは白龍の住民が毎日、マンション建設現場を見る辛さに思いをはせる。粘り強く、専門家の力も活用した地道な住民運動、コミュニティにも注目する。スイミ―という「小さなかしこいさかなのはなし」という絵本を例に、住民たちの活動にエールを送る。この闘いは無駄ではなく、まちづくりに生かしていくことを期待していると。
 講演会の前、上原さんに1 時間ほどインタビューすることができた。上原さんの著書『しなやかな闘い』とともに、レポートで紹介していきたい。