名古屋白龍 住環境を守る会
高層新築マンション建設反対運動 カルティア瑞穂ヶ丘・イワクラ ゴールデン ホーム・日本建設・瑞穂マンション反対

名古屋市立大学名誉教授
山田 明 レポート

奥田恭正さん無罪!

2018年2月14日

 昨日13 日午後3 時半過ぎ、名古屋地方裁判所でレポートでも紹介してきた名古屋市瑞穂区の奥田恭正さんに無罪の判決が言い渡された。

写真は順に、公判前に寒風吹きつける地裁前に詰めかけた多くの住民、支援者。判決言い渡し後、法廷前で「無罪」の報告をする奥田さんと弁護団。そして、多くのマスコミ関係者も詰めかけ、超満員の会場で行われた判決報告会。垂れ幕には「白龍大王が住む町を皆で守り伝える」と。

まずは不当に逮捕された奥田さん無罪を心から喜びたい。記念すべき判決を直接この耳で聞き、奥田さんと支援者の皆さんと喜びをともにできて、こんな嬉しいことはない。何回かに分けてレポートしていきたいが、白龍町高層マンション建設反対派住民刑事弾圧事件弁護団の「声明文」を抜粋して紹介したい。

本件は、瑞穂区白龍町で、高層マンション建設に反対する運動のリーダーをしていた奥田氏が、現場監督の胸を両手で突き飛ばしたとして、暴行罪で逮捕・勾留され、起訴されたという事案です。本判決により、奥田氏が現場監督に対する暴行を行っていないことが明らかになりました。現場監督は、ありもしない暴行の結果負傷したとして傷害罪で警察に被害を訴えたことになります(ただし起訴罪名は暴行罪)。その背景には、マンション建設反対運動のリーダーを逮捕・勾留に追い込むことにより、運動を弾圧しようとするマンション業者側の意図があります。このような住民運動に対する弾圧は決して許されてはなりません。また、マンション業者の訴えを鵜呑みにし、無実の奥田氏を逮捕したうえ14 日間にわたり勾留して公判請求まで行い、かつ、必要性がないにもかかわらず、起訴直前に奥田氏の自宅や奥田氏が経営する薬局まで捜索するなどした警察・検察の責任も厳しく問われなければなりません。本判決は、当然とはいえ正しく証拠を判断して、無実の奥田氏に対する無罪判決を言い渡したという点で評価できます。そして、本件のような企業と警察・検察権力の結託による反対派住民の弾圧を許さなかったという点でも裁判所の良識を示した優れた判決と評価できるものです。検察に対しては、本判決を厳粛に受け止め、控訴を断念するよう強く求めます。

 刑事事件は99.98%が有罪判決という。判決が出るまで、正直なところ心配であった。当然とはいえ、奥田さん無罪の判決に胸をなでおろした。だが判決から14 日が過ぎるまでは「確定」判決ではない。不当で無用な裁判をこれ以上続けないよう、検察が控訴を断念することを強く求めたい。