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シーアイマンション第2本郷/日陰障害・サムティに補償訴え

名古屋市営地下鉄「本郷駅」南側。「シイアイマンション第2本郷」の真南に幅・高さを遥かに上回る「サムティーのマンション」が建てられ、すっぽりと日陰に覆われてしまいました。近隣商業地域内は、「日影障害」は問えぬ?建基法適法。「サムティに瑕疵は無し」。 但し、「建設紛争予防条例」の趣旨を無視。強硬施工をした業者サムティに対する、「撤去及び補償」を求めての裁判/第2回公判にあたり、「訴訟団・代表」の戸塚さんが、法廷で「意見陳述書」を提出、読み上げました。

公判後の説明会に臨む「弁護団(後方)と伊藤さん、戸塚さん」

意見陳述書

令和3年6月28日

 私は、原告団団長をしております戸塚 正美と申します。
 サムティが建設した賃貸マンションの北側にある、シーアイマンション第2本郷で生活しています。サムティがマンションを建てたことによる被害の大きさと、施主や建設会社の不誠実な対応について、感じたところを陳述させていただきます。

 すぐ南に14階建てマンションが建ったことにより、私達のマンションは1年のうちほとんどが「日が当たらない」という状況になり、生活していく上で大切な太陽の光が奪われてしまいました。冬は全くと言っていいほど日が当たりませんし、立春になってもまだ、1日の多くの時間が日影のままです。
 一級建築士の後藤先生に作成していただいた半天空図を見たときに、1年の多くの期間で日が当たらなくなるということがわかり、愕然とするとともに憤りを覚えました。日が当たらないということは、部屋も暗く成り一日中照明を点けていなければいけなくなり、今までよりも電気代がかさむことになります。また、洗濯物も乾かないため、乾燥機を使うなど、余分な時間と費用がかかることになります。実際に、サムティのマンションが建ってから、晴れた日でも、一日だけで洗濯物が乾くことはありません。
 何よりも、日が当たらなくなることによって、気分が沈みがちになり、心身ともに不健康な状態に陥ります。私達の生活の質が大きく下がってしまうのです。
 それに対し、サムティが建てたマンションのほうは、南側道路から5m北側にセットバックしたことにより、目の前にある高速道路の高架の日影になることを免れています。その結果、低層階でも南側からしっかりと太陽の光が入り、明るさが保たれています。サムティは、マンションを北側にセットバックすることにより、私達のマンションの受ける日影被害がより大きくなることを承知のうえで、自分たちのマンションの日照を確保したのです。
 こんな理不尽なことは絶対に許すことはできません。
私達のマンションに暮らす住民の6割以上が高齢者であり、中には介護を必要とし、一日中家の中で生活をしなくてはいけない方もいらっしゃいます。特に今コロナ禍ということもあり、高齢者のほとんどが外出することを控え、家の中で生活することが非常に多くなっています。その方達の被害は深刻です。建物が建つ前は、部屋の中まで日が入ってきていたのに、今は全く日が入らないという声も聞いています。
太陽は、人が生きていくため、生活していくためにとても重要な「財産」です。  日に当たらないことで、この「財産」が無情にも奪われてしまいます。本当は、外に洗濯物も干したいし、ベランダで花や植物など育て、精神的なリフレッシュや安らぎを得ることで、忙しい日々にも頑張れる気持ちを持つことができます。ところが、ベランダが日影になると、それも出来なくなります。何物にも替え難い太陽を奪われた生活は、苦痛でしかありません。

近隣との共存をきちんと考える会社であれば、先住者である私達と話し合いをして、お互いに理解できる形で建築をすると思いますが、サムティにはそのような姿勢が欠片も見られませんでした。自社の利益の追求のみを考えているとしか思えません。これが、一部上場企業が行うことでしょうか。経営理念に、「倫理観を持って誠実に社会に貢献すること」を掲げていますが、実際には、全く逆のことをやっています。

 このマンションが建設されたことで、今まで当たっていた太陽が当たらなくなり、今まで普通に生活してきた環境が大きく損なわれています。この先、一生日が当たらない生活を強いられることは断じて受け入れられません。
今すぐにでも即刻、11階以上の取り壊しをお願いしたいところです。
 私達の暮らす地域は、容積率400%であり、建築基準法上の日影規制はありません。サムティは、それを理由に、マンションを建てたことに問題ないとしています。
 しかし、本当にそうなのでしょうか。マンションが建ったことにより、私達の生活はここまで変わってしまったのに、それでも建築基準法に違反していなければ何の問題もないのでしょうか。
 裁判所には、私達が受けた被害を十分ご理解いただいたうえで、公正な判断をしていただきたいと思います。